車、タイヤに関心がない人ほどちゃんとしたタイヤをちゃんと買って欲しい!というお話です。
車好きな人には信じられないお話も出てきますが、
一つの知識として知っておいて損はないタイヤ業界に20年の経験からのお話であります。
とっても長いです。申し訳ありません。
近々でちょうどいいサンプルが出たので、ちょっと真面目なタイヤのお話をと思います。
当店では国内外のタイヤメーカーを取り扱っておりますが、
その基準としてそのすべてのメーカーさんは安心、安全という一番大事な部分を大事しているメーカーさんであることです。
簡単に言うと品質がちゃんとしているメーカーさんのみを取り扱っております。
タイヤってただゴムを丸く成型した物ではなくて内部は非常に複雑な構造をしています。
1トン以上ある車体を支えているわけですから、内部には金属や繊維などでベースとなる骨格が存在します。
外からタイヤを見てもパターンやサイドウォールのデザインはわかってもこの内部構造を見ることは、
私たちタイヤ屋さんはもちろんの事ユーザーの皆様も見ることはできません。
どことは言いませんが新興メーカーさんの多くのタイヤはタイヤ単体でもつと非常に軽く感じることがあります。またロープロファイルのタイヤの多くは、当店で取り扱う多くのタイヤに比べてサイドウォールが柔らかいので非常に組みやすかったりします。
これが何を表しているかというと、つまりこの内部構造が華奢だという事です。
(もちろんすべてのメーカーさんではないですからね)
タイヤにはサイズによってロードインデックスという、このタイヤがどれぐらいの重さに耐えられるかという
記載があります。
例えばプリウスなどに採用されている195/65-15というサイズですとロードインデックス91になります。
以下の表でみると
空気圧230kpaの時に1本あたり510kgに耐えられる計算となります。
それでね。ここが大事な所で、
一流メーカーさんのタイヤはこの510kgに耐えられるがギリギリ耐えられるでなく、
余裕を持って耐えられる設計で作られているという事です。
逆に新興メーカーさん(よくいうアジアンタイヤっていうカテゴリーです)のタイヤは
510kgにギリ耐えれるぐらいの設計になっているという事です。
長文になってすみません。
ここからは実例でお話します。
メーカー名は明かしませんが、こちらのタイヤはいわゆるアジアンタイヤと呼ばれる中では比較的有名なメーカーさんのタイヤです。
当店に出先でパンクしてロードサービスでお越しになってお車についていたパンクしていたタイヤです。
ガソリンスタンドで空気を入れて走ってこようと思ったけど入れても入れても膨らまないという症状でした。
パンク修理できるならパンク修理でということで車体からタイヤを外すと
内側のサイドウォールが切れてサイドウォール全体からエア漏れしている状態です。
その他タイヤを確認すると、すべてのタイヤの空気圧が車体の指定空気圧から比べると、
非常に低い状態でした。
お話を行くと、普段使いする事はなく久々に車を動かしたようで空気圧の低下に気づけなかったとのことです。
空気圧が低いという事はタイヤとしては車の車重に耐えられない状態でだったということです。
だから車重に負けてサイドウォールが裂けても致し方ない状態だったということです。
だからメーカーさんとして、別段品質に不具合のあるタイヤだったという事ではないのでそこは誤解のないようお願いします。
さてそして次の実例です。
まず大前提としてこんな状況になるまで走れるからと言って交換しないなんていうことは
絶対おすすめしてませんからね。
このタイヤは国内の皆さん聞けば必ず聞いた事のあるメーカーさんのタイヤです。
(ここまで減っているとパターンで判別つかないでしょ?笑)
お客様談
数日前からまっすぐ走らなくなった、
それまではなんともなかったのにとの事です。
車体を外してタイヤをを転がしてみるとまっすぐ転がりません。
写真ではわかりずらいとは思いますが、
セパレーションと言って、内部構造が一部的に弱くなり、
中からの圧力でタイヤが変形している為、まっすぐ走らなくなったわけです。
これだけ摩耗して内部のワイヤーなどが見えている状態のタイヤです。
当たりまえですが、そんな事になっても仕方がない状況です。
そしてメーカーさんとしても使用限界を等に超えたタイヤですから、
何があってもメーカーさんは何も悪くありません。
でもこのタイヤはバーストしていないんですよ。
有名メーカーのタイヤっていきなりドンっていうバーストはまずないんですよ。
ちゃんと作ってるから。
安心、安全へのマージンが半端じゃないんです。
高速道路などでの事故見られるバーストの原因の多くはまず第一に空気圧の低い状態での走行です。
定期的に空気圧をチェックしている人では起きることはないでしょう。
amazonをはじめネットショップでタイヤサイズで検索すると聞いた事もないメーカーの異常に安いタイヤがたくさん出てきます。
近くのディーラーさん、タイヤ屋さんで見積もりを取ると値段の格差にびっくりすることもあるかもしれません。
でも高いと思ったタイヤ達は見た目だけではわからない所にちゃんと手をかけ時間をかけ開発されたタイヤです。
安心安全を買うという気持ちで値段だけじゃない部分を少しでいいから念頭に置いてタイヤ選びショップ選びをして頂きたいなと思う出来事でした。